Elements
静岡の要素

クラフトイベント・共生について

静岡のものづくりに触れるクラフトマーケット「共生」8回目の開催へ

静岡の人が静岡のものづくりに出会う場として始まったクラフトマーケット「共生」。その名付け親であり、プロデューサーを務める花澤氏(unknot代表)とともに、インタビューから誕生の背景から現在の姿までを紐解いていきました。

共生SHIZUOKA CRAFT WEEKのはじまり

もともとは静岡の産業である“木工家具”のオープンファクトリーを開催することを目的に企画はスタートしました。しかし、家具の工場の魅力を伝えるには、オープンファクトリーだけでは十分に伝わらない。
そこで、オープンファクトリーに加え、マーケットなど複数の企画を組み合わせた一週間程度の「イベント期間」として構想し、「共生 SHIZUOKA CRAFT WEEK」と名付けられ、8年前にスタートした。
静岡市には、徳川家康が職人を集めてものづくり文化を根付かせた浅間神社や駿府城がある。
静岡のものづくりを集めたマーケットだからこそ、これからも歴史を紡いでいきたいという想いがあるからこそ、歴史が繋がっている場所での開催にこだわりました。

静岡県の西から東まで、多くの作家や店舗が集まり、知らなかった“お隣さんのものづくり”と出会える場に。手に取ることで暮らしが豊かになり、そして多くの来場者が訪れることで、静岡のものづくりに携わる人たちを支えることができる。

それはまさに、“共に生きること”。

そんな想いを共有する実行委員メンバーにより「共生 SHIZUOKA CRAFT WEEK」は形になりました。

これからの共生 SHIZUOKA CRAFT WEEK

実行委員会内でも役代わりがあり、あらためて自分たちの活動を話し合う機会が持てたと花澤氏。以前はマーケットの期間周辺でオープンファクトリーを開催していましたが、今年はマーケットに絞り、伝えたいことを明確にしていくことに。
工芸やものづくりのイベントは静岡市内、県内を見渡せば数多く存在しています。
そんな中、「共生」とは何か。

共生の実行員会を構成しているのは有志。普段の仕事はバラバラで共通項も少ない。
ではなぜ開催するのかと言えば、「自分たちが一番当日に喜びと感謝で満ち溢れること」。
静岡のものづくりを静岡の人たちに届けるこの収穫祭は、その年の豊作を喜び感謝し、来年の豊作を願うお祭り。実行委員会を含めて会場全体がその感覚を共有できること。
一番最初の理念に立ち返ったとも言えます。
ざっくり言ってしまえば「めちゃくちゃ楽しいイベント」でありたいし
おそらくこんなに全員が笑顔で溢れるクラフトイベントは珍しいと思うし
静岡のものづくりを通じた「笑顔の収穫祭」なのだと思っています。
祭りなのだから、続いていけばそれは「文化」になる。

朝いちばんが気持ちいいと、その日はずっといい

一昨年から始まった、出店者同士の交流の時間づくり。
開店準備の忙しさのなかで慌ただしくなることもあったが、昨年の2日目の朝には30分ほど交流の時間が生まれ、その光景を見ることで“一日が気持ちよく始まる”感覚があった。

出店者が気持ちよく過ごせると、その空気は自然と来場者にも伝わる。

今年は出店者の協力で、初の試みとなる「First buy」を実施。
First buy は、その日いちばん最初に購入したお客様に、各出店者からささやかなプレゼントを贈る企画。
朝いちばんに、少し照れながらこの会話をする出店者と来場者を想像するだけでもすごく明るい気がします。

繋がりと連鎖の実験

「共生として何ができるのか。まだ繋がっていない人を、どう繋いでいけるのか。」
その問いのもと、静岡県内に点在するイベントをつなぐwebメディア「Design November」を運営することで、私自身人に会いに行く“動機”をつくっています。そして、何年か越しに面として繋がるための種を蒔いている途中です。
これはデザイナーという職業柄、どんなところでもずっとしています。

共生ならではの仕掛けとは何かを模索しながら、実行委員から出店者へ、会場の人々へと、優しい連鎖が生まれるコンテンツを育てていきたい。
身近な人にふと褒められたような、心があたたまる感覚が広がる場を目指しています。
実際身近な人に、自分のことをよく知る人に褒められるのが一番嬉しいと思いますから。

共に生きる、共に成長する

去る11月29日、30日で共生の2025年は開催されました。天気にも恵まれた素晴らしい日となりました。

訪れた人の心に残る感情が「楽しい」であってほしい。
出店者にとっては、ものづくりを続ける“糧”となる場でありたい。
共生は、ここで生まれた喜びや変化を見届け続ける存在でありたい。

また来年、より良い“収穫”が生まれますように──

そんな願いを込め、地元の力でつくり続ける収穫祭が「共生」。

最後に
駿府城公園の出入口で、その年いちばん最初に「よいお年を」を言う人になりたいという花澤さん。毎年終了後の搬出出口で、その“年納め”の言葉で繋がるのが密かな楽しみなのだという。

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